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スラブは、RCでつくられた床です。スラブは居住性に最も関係する構造部材なので、たわみや応力に注意して設計します。今回はスラブの設計方法、辺長比の関係、集中荷重の検討、スラブの応力とたわみについて説明します。※スラブの意味、スラブのたわみは下記の記事が参考になります。
スラブとは?現役設計者が教える意味、特徴、役割、屋根スラブ、土間
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スラブの設計は、下記の検討を行います。
スラブ厚の確認
スラブのたわみの算定、確認
スラブの短辺、長辺方向の上端筋、下端筋の算定
なおスラブの意味、特徴は下記が参考になります。
スラブとは?現役設計者が教える意味、特徴、役割、屋根スラブ、土間
上記の検討を、それぞれ説明します。
スラブは最小厚みが規定されます。現在の建築物では150mmが一般的で、荷重が大きくならない限り問題になりません。スラブ厚さは下式で算定される以上の値とします。
t=0.02×{(λ-0.7)/(λ―0.6)}×(1+wp/10+lx/10000)×lx
tはスラブ厚、λは辺長比(ly÷lx)、wpは積載荷重と仕上げ荷重の和(kN/㎡)、lxは短辺方向の有効スパンです。
Wpおよびlxという記号に注目してください。スラブ厚は
・荷重が大きいほど
・短辺の有効スパンが長いほど
大きくなります。現在一般的に使われるスラブ厚は150mmです。スラブ厚は下記も参考になります。
スラブ厚とは?1分でわかる意味、規準、かぶり厚、調べ方、マンション
なお片持ちスラブは下式で、最小スラブ厚を計算します。
t=lx/10
片持ちスラブの長さが2000mmなら、最小スラブ厚は200mmです。
今回は周辺固定版のスラブのたわみについて説明します。スラブのたわみは、単位幅の梁がx、y方向にあると考え計算します。例えばx方向のスラブたわみは、
δx=Wx×Lx^4/384EI
です。Wxはx方向の梁に分配される荷重で、下式で計算します。
よってスラブのたわみは、短辺と長辺の長さで変わります。手計算の場合、上式の計算は面倒なので計算図表を用います。※構造計算の実務では、計算ソフトを用います。
※スラブのたわみは下記もご覧ください。
上記により算出した、たわみはクリープを考慮し所定の割増係数を掛けます。
割増係数を変形増大係数といいます。スラブは時間の経過と共に、変形が大きくなります。これをあらかじめ、割増係数をかけて考慮するのです。※変形増大係数の意味は下記が参考になります。
変形増大係数とは?1分でわかる意味、木造、コンクリート、鉄骨の値
あとは、スラブのたわみが許容値に納まっているか確認します。許容たわみは、
Lx/250以下(鉄骨造ではLx/300以下など)
とします。
スラブには短辺、長辺方向の端部、中央に応力が生じます。たわみの算定と同様に、単位幅の梁と考えて応力を算定します。両端固定梁の応力は下記です。
端部 M=wL^2/12
中央 M=wL^2/24
※両端固定梁の応力は下記が参考になります。
両端固定梁とは?1分でわかる意味、曲げモーメント、たわみ、解き方
上式が理論式ですが、スラブの固定度が落ちることを考えて、中央部の曲げモーメントは4/3倍割増されます。またlx=lyのとき、長辺方向の曲げモーメントは、短辺方向の半分の値です(荷重が半分になるので)。よって、スラブの応力は下記です。
短辺端部 M=wxLx^2/12
短辺中央 M=wxLx^2/18
長辺端部 M=wLx^2/24
長辺中央 M=wLx^2/36
上式で算定した応力を用いて、引張鉄筋を算定します。引張鉄筋は下式で計算します。
At=M/ftj
Mは曲げモーメント、ftは鉄筋の許容応力度、jはスラブの応力中心間距離です(7d/8)。※鉄筋コンクリート部材の断面算定は下記も参考にしてください。
スラブの引張鉄筋断面積atは「単位幅当たり」の値です。1000mmの幅の間に必要な鉄筋量ですね。よって、必要鉄筋量はD13@200のように書きます。スラブの配筋は下記をご覧ください。
スラブ配筋とは?1分でわかる意味、定着、端部、計算と主筋、配力筋、間隔
スラブを設計する際の荷重は、長期荷重を用います。この長期荷重はTL(トータルロード)で、TL=DL(自重)+LL(積載荷重)です。自重は、仕上げ荷重とRCスラブの厚みです。
例えば、床厚が150ならw=150x24/1000=3.6kN/㎡です。仕上げ荷重は0.6 kN/㎡見込んでおきます。
積載荷重は、意匠的に使う用途によって、建築基準法で定められている値を使います。居住用なら1.8kN/㎡です。この場合、TL=4.2(3.6+0.6)+1.8=6.0です。※積載荷重の意味は下記をご覧ください。
スラブは短辺と長辺の長さで、応力やたわみの大きさが変わります。これは「辺長比λ(ly÷lx)」との関係で表します。
スラブに集中荷重が作用する場合の計算は、鉄筋コンクリート構造計算規準p.101(2015年版)に明記があります。
スラブを設計するとき支持条件に注意します。RC造ならほとんど四辺固定版です。床スラブが大梁や小梁に囲まれていて、一体化されているからです。
一方、S造にスラブを使う場合は、固定端とみなせない箇所があります。鉄骨梁とRC床の接続が固定端と呼べるほど一体化していないからです。この部分はピン支点として計算します。
※スラブの支持条件は下記が参考になります。
スラブを設計するとき設計用寸法に悩みます。設計者や物件ごとに変わりますが、『内法寸法』が正しい値です。但し、柱間スパンでざっくり計算しても、それは大きなスラブを計算したことになるので安全側の検討です。
スラブの設計に用いる寸法を、有効スパンといいます。有効スパン、内法寸法の意味は下記が参考になります。
有効スパンとは?1分でわかる意味、スラブ厚、たわみ制限、片持ちスラブ
内法とは?1分でわかる意味、読み方、内法面積、窓、壁芯との関係
今回はスラブの設計について説明しました。設計方法など理解頂けたと思います。スラブの応力、たわみも基本的な計算は、梁と同じです。下記の記事など、併せて勉強しましょう。
スラブとは?現役設計者が教える意味、特徴、役割、屋根スラブ、土間
両端固定梁とは?1分でわかる意味、曲げモーメント、たわみ、解き方
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